初代天皇の故郷、丹後国。


1 初代天皇は日向国生まれなのか。

今上まで繋がる天皇家の系譜は、天照大神の子孫である事にその正当性を求めます。この天照大神を祭る神社と言えば、どなたでも伊勢神宮を最初に頭に思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、初代天皇と言う神武天皇は日向国で生まれたと言います。また、その末裔で有るはずの歴代天皇の記録に残る最初の伊勢神宮参拝は、明治天皇になると言います。
広く世の中に浸透していますが皇祖神は天照大神であり、伊勢神宮、内宮の祭神です。自然な感覚では天照大神と由緒の深い地が、初代天皇の生誕地になると腑に落ちるのではないでしょうか。
伊勢神宮には内宮と共に参拝しないと片参りとなってしまう、重要な別宮が有ります。言わずと知れた伊勢神宮の外宮(豊受⼤神宮(とようけだいじんぐう))ですが、こちらの祭神は豊受大神(とようけのおおかみ)です。一般的な認識では豊受大神は、天照大神の食事を司る神と認識されています。
この外宮には「外宮先祭」(げくうせんさい)といって、まず外宮で祭儀が行われる慣わしがあります。内宮に先だって祭儀が行われるほど格の高い大神ですが、この豊受大神は現在の京都府北部に当たる丹後国からやって来たと言います。
豊受大神のゆかりの地丹後の国こそ、天照大神の故地であり初代天皇の故郷だと考えるのが自然ではないでしょうか。
さて皇祖神という天照大神は元々、第十代崇神天皇(すじんてんのう)までは、宮中で祭られていたと言います。それが宮中から出されることになりますが、その経緯を追ってみましょう。

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