【新刊案内】『佐藤洋太論考集Ⅰ 初期伊勢神宮祭祀と荒祭宮の瀬織津姫神』Kindleにて出版しました。


 ここ数年、ずっとかかりきりになって研究を続けてきた「瀬織津姫神(セオリツヒメノカミ)」についての論考が、このたび『佐藤洋太論考集Ⅰ 初期伊勢神宮祭祀と荒祭宮の瀬織津姫神:荒御魂宮・和魂宮にみる大元神奉斎の古層』としてKindleで出版されました。

 瀬織津姫神といえば、大祓詞(おおはらえのことば)にその名を現しながらも、記紀神話の表舞台には姿を見せない、極めて謎の多い神格です。近年、この神を巡ってはさまざまな言説が流布していますが、本書では安易な神秘主義や憶測に依拠することはありません。あくまでも文献と祭祀構造の検討を通じて、その神格と伊勢神宮祭祀との関係に迫りました。

 本書は、ウェブサイト「古代史考証」での連載「瀬織津姫命秘抄」一~三に最新の考察を踏まえて加筆・訂正を施し、さらに書き下ろし論考を加えたものです。

 本書で焦点となるのは、皇大神宮(内宮)の別宮でありながら、きわめて重要な位置を占める「荒祭宮(あらまつりのみや)」と、そこに祀られる瀬織津姫神の問題です。「荒御魂宮」と「和魂宮」の対比という視座から、記紀編纂以前の伊勢の地に存在した祭祀の古層をたどり、その背後に見える「大元神(おおもとかみ)奉斎」の信仰構造を考察していきます。

 これまで謎に包まれていた「初期伊勢神宮が一体何を奉斎していたのか」という問いに対し、本書では「それはまさに、大元神への祭祀であった」という一つの答えを明らかにできたと考えています。

 黎明期の伊勢神宮祭祀と瀬織津姫神の信仰がどのように交錯していたのか。未だ十分に解き明かされていない古代祭祀の深層へ、読者の皆様を誘う一冊となれば、著者としてこれにまさる喜びはありません。

ぜひ、お読みいただけましたら幸いです。

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