いくつもの赤い鳥居が連なるお社といえば、千本鳥居で知られる伏見稲荷大社がすぐに思い浮かぶのではないでしょうか。伏見稲荷大社の主祭神の一柱である宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)は、一般には「お稲荷さま」として、稲の神、商売繁盛の神、あるいは狐と結びついた神として広く認識されています。
しかし神社側の説明によれば、稲荷の神は個別の農耕神というより、より根元的で大きな神霊であるとされています。これは、稲荷大神の神霊が万物の根源的な力を有し、その一部の働きとして稲などの生命を生み出す霊力を備えている、という意味に理解できるでしょう。
伏見稲荷大社では、現在五柱の神が総称して祀られています。
上社 大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)
中社 佐田彦大神(さたひこのおおかみ)
下社 宇迦之御魂大神
田中社 猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)
四大神(しのおおかみ)
これら五柱は、一宇の社に相殿として奉祀されています。神社側の説明では、これらの神々は稲荷大神の広大なご神徳が神名として顕現したものであるとされています。また、田中社と四大神は、上・中・下社に比べて後の時代に加えられたとするのが通説です。なお、猿田彦大神を祀る田中社の祭神は、民間では権太夫大神とも称されています。
秋も深まる文化の日、伏見稲荷大社一座の御分霊である権太夫大神を祀る、兵庫県神戸市兵庫区のお社にて、京橋健一郎先生のお招きによりお話をさせていただくことになりました。
イベントの題名は「歴史家・佐藤洋太と巡る、つゆの森と権太夫大神 ― 瀬織津姫の森・千鳥ヶ滝の神話と伝説」。たいへん壮大で、身の引き締まるテーマ名を付けていただきました。
京都でも名高い伏見稲荷大社、そこに連なる権太夫大神、そしてそれらが瀬織津姫神とどのようにつながっていくのか――。
当日は神社の前にて、伏見稲荷大社の由来にとどまらず、社家である秦氏の系譜や、八咫烏の一族についてもお話しさせていただきました。
そして最後には、一連の考察と瀬織津姫神を結ぶ重要なキーポイントとなる、この地に伝わる「白瀧姫と真勝」のお話をご紹介しています。
最後までお楽しみいただけましたら幸いです。








